■1次元配列の復習

• 「配列」は，同じ型のデータをまとめて多数扱いたい場合に用いる． 同じ型の変数の箱が連なったものをイメージすれば良い． 各箱のことを「要素」と呼ぶ．各要素には通し番号が付いている．

  

• 配列を使う場合は(普通の変数と同様に)， 以下のような形式であらかじめ「宣言」する必要がある．

      型名 変数名[要素数];
  
      (例)
      int    tensu[100];
      double heikin[100];
  

  「要素数」は定数でなければならない．
• 配列の要素番号は0から始まる．
  配列の要素番号の最後は，「要素数-1」である．
• 配列の要素にデータを代入したり，値を参照するには，以下のように書く．

      変数名[要素番号]
  
      (例)
      double  rei[7];
  
      rei[1] = 100.0;
      printf("rei[%d] = %f\n", i, rei[i]);
  

  上のように書いた配列の各要素は，普通の変数と同じように取り扱うこと ができる．
• 一般の変数と同じように，配列を宣言するときに，初期値を設定できる． 初期値の要素数は宣言する要素数より少なくても構わない． また，要素数は省略可能．その場合は初期値の要素数が使われる．

      型名 変数名[要素数] = {要素0の値, 要素1の値, 要素2の値, …};
  
      (例)
      int    tensu[10] = {90, 100, 70};
      double heikin[] = {60.0, 70.0, 80.0, 90.0, 100.0};
  

  C言語では，配列にまとめて値を格納できるのは「初期値の設定」のみ!
  (「代入」は許されていない)．
• 配列を関数の引数にする場合，関数側では仮引数として以下のように書く．

      型名 仮引数名[要素数]
  

  1次元配列の場合，角括弧に挟まれる要素数は省略しても構わない．

      (例)
      void vecinc(double v1[], double v2[], int dim)
      {
        /* 略 */
      }
  

• 配列のデータ全体を関数に渡すには，呼出し側で配列の「名前のみ」 を引数に書く．「角括弧は不要」． 呼出し側の関数の型は， 関数側(関数の定義部分)引数の配列の型と必ず同じにする．

      (例)
      vecinc(a, b, 7);
  

• 関数の引数にされた配列の内容は， 関数内で対応する配列の要素の値を書き換えると， 呼出し側でも値が変化する．
• 配列を引数にするということは， その先頭ポインタを引数にすることと等価であることを思い出してほしい． 先頭を伝えているだけなので，大きさは省略できる． 別の言い方をすれば，C言語自身は先頭の面倒しかみておらず， 大きさの管理はプログラムの作成者に任されている．