■ファイル入出力２（実用編）

関数の戻り値をもう少しきちんとチェックしよう． 徹底したチェックは練習問題や課題で．

例2-4 example24.c

• ファイル名とパラメータをキーボードから読み込み，正弦波データを書き出す．
• ファイルの準備が正しくできたか調べるようにした．

      fp = fopen(filename, "w");
      if ( fp == NULL ) {
          printf("ファイル%sがオープンできません．終了します．\n", filename);
          exit(1);
      }
  

  失敗したらプログラムを終わってしまうので，あまり親切ではない．
• exit()はプログラムを終了させるライブラリ関数で，どこで使うこともでき， 呼び出すと戻ってこない(プログラムが終了するので)． 引数は，そのプログラムを呼び出した側(親プロセス，シェルなど) への戻り値となる． 慣例としては，0が正常で，0以外が何らかのエラーを意味する．
• パラメータの読み込みにはscanf()を使っているが， 入力が適切であるかのチェックは行なっていない．

例2-5 example25.c

• 指定された名前のファイルを終端まで読み込み， 各行の2列目の数値の総和を求める．
• あらかじめ決められた行数ではなく，ファイルの終りに達するまで読み続ける． fgetsの返り値をチェックしながら繰り返す．C言語の定石の表現．

      while ( fgets(buffer, BSIZE, fp) != NULL ) {
        /* 中略 */
      }
  

• 先頭の文字が';'の行は注釈として読み飛ばすようにした．

          if ( buffer[0] == ';' ) {
              printf("%d行目は注釈です．\n", nl);
              continue;
          }
  

• 1行分の文字列から期待する数値に変換できたか調べるようにした． sscanfの返り値は変換に成功した項目の数なので，これを利用する． 正しく変換できなかった場合は，その旨表示し，その行は無視している．

          if ( sscanf(buffer, "%f%f", &t, &x) != 2 ) {
              printf("%d行目のデータが正しく読み込めませんでした．\n", nl);
              continue;
          }
  

• 読み込んだ行数(nl)と有効なデータのある行数(nd)を区別して数えている．